メンテナンス

芝生管理の盲点

病気に強い健全な状態を保つためには見えないところ、すなわち根の生長をよくすることが肝要、芝生管理の専門家は次の点に心がけています。
先ず造成に当たっては、病害虫、雑草汚染のない健全な芝を張る。
次に管理作業方法の中でも

  1. 更新作業
  2. 肥培管理
  3. 刈込みと刈かすの除去

以上の3点を、適切に行うことによって根の生長を促します。
造成後も透水性・保水性など土壌の物理性を適切レベルに維持すると共に、散水に注意し、土壌が過湿や過乾状態になることを防ぐことが重要です。

芝生管理の基本

芝生管理の基本は、刈込、施肥、灌水、除草、更新などの作業があげられます。メンテナンスの実施時期や頻度など、目的に合わせて決めることが重要なポイント。
例えば、芝生の管理レベルが年間2~3回程度の刈込しかしない道路の緑地と、毎日刈込をするゴルフ場のバッティンググリーンでは生育状態に大きな違いが出てきます。
「芝は刈らねばタダの草」といわれるように、刈込をすることでその価値が高まるため、正しいメンテナンスは芝生にとって欠かせません。

施肥

  • 専用散布機を使用してムラなく散布してください。播きムラがあると、芝の生育に差が出て、緑の濃い部分と薄い部分の色のムラが出ます。また、一か所に肥料が集まると、葉は肥料焼けを起こして葉が黄色くなり、芝生がダメージを受けます。 年3回以上が理想です(普通化成)。芝生1平方メートルにつき8-8-8で40~60g、10-10-10で30~50g程度が1回散布量です。エルトロセブンは春か秋に年1回散布(60g)です。休眠前に肥料分を与えることはビクトールの特徴である空きの色持ちを長くします。

散水

  • 張芝直後の養生期間(2週間程度は散水が必要)以外通常は散水の必要はありませんが、晴天乾燥が続き、葉にしおれの症状(葉が巻いてくる)が見られたら、すぐに散水して下さい。また、高温時の日中散水は避け、できるだけ午前中の涼しい時間帯に、葉だけでなく土にも水が浸透するよう十分に散水を行って下さい(5㎜/平方メートル以上)。冬場も適度に水分がある方が、緑色を保ちます。

芝刈

  • ビクトールは20~30mm程度の刈高が最も適しています。日陰部分は元々草丈が伸びますが、刈高を50~70mm程度に日当たりの良い場所より若干高めにして下さい。しかし、生育状態が良く草丈が高い場合(50~100mmぐらい伸びた場合)は、草丈の1/3以上刈り飛ばさないようにして下さい。すなわち、草丈が100mmある場合は、草丈を70mm程度までの刈り込みとし、刈込回数を増やし、少しずつ刈り込んでいき、草丈を調節して下さい。1/3以上刈り飛ばすと、軸刈りになり、生長が悪くなったり、元に戻るのに時間がかかります。生育にムラがあり、草丈が場所によって異なる場合は、一度に刈高を合わせず、施肥と刈込作業を追加し、徐々に草丈を調節して下さい。

除草

薬剤を使用できる場合、散布機を使用して雑草の種類に応じて除草剤を選んで散布してください。除草剤の種類、薬量、時期を誤ると薬害により芝生がダメージを受ける場合がありますので、注意してください。初春、晩秋に発芽前土壌処理剤を散布するのが良いと思われます。除草剤が使用できない場合は、手取り除草を行ってください。雑草を刈り込みにより刈り飛ばすことも可能ですが、また雑草が生えてきますので手取除草をこまめに行うことが、最もきれいに雑草を除去できる方法です。

目土

  • 厚目土にならないよう目土量を設定して下さい。目安は茎の部分に目土が被るようにし、葉の部分は被らないようにして下さい。凹部分は目土により芝面の凹凸を修正して下さい。 床土と同じ土壌を使用して下さい。散布時期は更新作業直後に行うことが望ましく、芝刈前には行わないで下さい。また、散布後竹ぽうき等で目土をよく芝生にすり込んで下さい。

エアレーション

  • 踏圧によって硬くなった芝地に穴を開けて空気の通りをよくし、新しい根の発育を促し芝生の生長を活性化します。

バーチカット

  • 芝生の表層面にたまるサッチ層(芝屑)を深さ2㎝程度切り、掻きだす更新作業。土壌中に溜まった有機物を除去します。
    芝生の生育が活発になります。
    バーチカット作業を行うことで、害虫や病気の温床となるサッチを掻きだし、芝生の根を切って刺激を与え、水はけの改善をすることができます。

管理機械

  • 弊社の所持している機械の写真です、あらゆるシーンの芝生の刈込みから法面などの草刈。 芝生の更新作業の機械エアレーションやバーチカット目土散布機、肥料散布機など芝生管理のことはお任せください。

芝の病気

芝管理の盲点

病気に強い健全な状態を保つためには見えないところ、すなわち根の生長 を良くすることが肝要、芝生管理の専門家は次の点に心がけています。
先ず造成に当っては、病害虫、雑草汚染のない健全な芝を張る。
次に管理作業、中でも

  1. 更新作業
  2. 肥培管理
  3. 刈込みと刈かすの除去

以上の3点を、適切に行なうことによって根の生長を促します。 造成後も透水性・保水性など土壌の物理性を適切レベルに維持すると共に、散水に注意し土壌が過湿や過乾状態になることを防ぐことが重要です。

  • 鉄欠乏による黄化症。鮮やかな黄色を示すノシバの葉

藻類
病原体 藍藻類(=シアノバクテリア)、緑藻類、珪藻類
病気 グリーンで問題となる藻類はユレモ類(特にフォルミディウム)とヒビミドロ類がほとんどである。 藻類が発生すると、美観を損ねるばかりでなく、養分や酸素の供給が抑えられて芝が弱ってくる。
呼吸阻害剤(C類殺菌剤や重金属剤)の処理などで防除が試みられている。 しかし、A薬剤による防除よりも土を酸性に矯正、目土の施用、液肥の控え、ある程度芝をマット化するなど耕種的な方法で発生を抑制することが大切である。
発生芝種・発生時期 寒地型芝:5月~10月
暖地型芝:5月~10月
赤焼病
病原菌(属名) ビシウム菌
病気 高温度で高湿度条件下のみで発生する。特に夜温が高い時に要注意である。 急激に甚発生となるのでベントワングリーンのゴルフ場では以下の発生予察(Nutter-Schein Model )を心がけること。
最高気温27.7℃以上、最低気温20℃以上の日で、しかも90%以上の湿度が 9時間続けば発生の危険性が大きい。至急予防散布する。
本病原菌はどちらかといえば地上の茎葉部を這って広がる茎葉病であるので即効性のフェニルアミド剤の散布が効果的である。
しかし連続使用すると耐性菌が出やすいので他剤とのローテーション散布を心掛けること。 ピシウム病の場合と同様ホセチルとクロロネブの現地混用がローテーションの相手剤となる。 米国では茎葉を侵すピシウム病(赤焼病)と根腐れとなるピシウム病とに分け、使用する薬剤がそれぞれ別々に推奨されている。
発生芝種・発生時期 寒地型芝:7月~9月
暖地型芝:-
ビシウム病
病原菌(属名) ビシウム菌
病気 “ピシウム病”は今のところ分類上赤焼病以外のピシウム菌による病気の総称とされている。いずれは病名が分けられるものである。
ピシウム菌は湿潤環境を極めて好む種類である。排水の良いサンドグリーンでも散水が頻繁に行われるため多湿となっている時間が長くなりピシウム菌は増殖できる。 発病した芝のソッドをビニール袋に入れておくと芝の上に空中菌糸が出てくるので診断に役立つ。
コウライグリーン、ベントグリーンいずれにも発生し、年中いずれかのピシウム菌が関与して病気が発生している。症状も様々で特定は困難である。
ピシウム病の防除は薬剤散布で有効であるが、低温期のピシウム病は根部病害のため防除には下方移行性を利用したホセチルとクロロネブの現地混用による散布が有効である。
発生芝種・発生時期 寒地型芝:2月~12月
暖地型芝:3月~11月
フェアリーリング病
病原菌(属名) 担子菌類
病気 病原菌としては3~6種類ある。白色ボール状のキノコを形成するホコリタケやニセショウロは種々の大きさの、シバフタケやコムラサキシメジは大型のリングを形成する。
いずれの菌も芝には病原性はないが、土壌中(深さ約10cmまで)で菌が腐生的に増殖蔓延し、その結果土壌は撥水性をおびて芝は水不足におちいる。
乾燥と菌の増殖結果による刺激物質で芝が異常生長、濃緑色化、あるいは枯死に至るとされている。
少雨で高温乾燥の年に大発生したり、排水のよいグリーンで発生が多いのはこのためである。
防除を考える場合、菌はリングの枯死部と濃緑色部の下の土壌中に蔓延しているのでこの部分に穴を開けた後、展着剤を加用して薬剤を灌水するのが効果的となる。
発生芝種・発生時期 寒地型芝:3月~12月
暖地型芝:3月~12月
さび病
病原菌(属名) プキニア菌
病気 さび病の発生で芝は弱るが株全体が枯死することはない。
その理由は芝が枯死するとさび病菌も死ぬことになるからである。
つまりこの菌はサッチなどでは生活できず、生きた細胞が必要である。このような菌は絶対寄生菌といわれる。 またこの菌は芝の気孔(穴)からのみ侵入できる。
春、秋の日本芝にさび病が発生するが、寒地型芝にも冠さび病や黒さび病が発生するといわれている。 SH酵素阻害剤やEBI剤の散布で防除可能である。
発生芝種・発生時期 寒地型芝:4月~7月 / 9月~11月
暖地型芝:5月~7月 / 10月~11月